『沈黙』『原初のヨーガ』おすすめの本2冊
267日ぶりの更新、のようです。
新型コロナ禍、なかなか治まらないですね。坐禅会もヨーガ教室もずっと休みつづきですが(感染者数減のタイミングでたま〜に行けてます)、あろうことか東京オリンピック開催とか、いままでのコロナ対策をすべて帳消しにする暴挙。
オリンピックのような集金イベントも、それを支える20世紀的な政治経済も、いまの在り方にはそぐわなくなっていて、これからもボロボロくさり、くずれつづけていくのだろうと思ってみています。
さて、おすすめの本を紹介します。
1冊目は『沈黙』(春秋社)。今年の4月に発行された、ヴェトナムの禅僧(マインドフルネスの人として有名かもしれませんが)ティク・ナット・ハンの講話集です。この方の本は過去にも何冊かよみましたが、この本は過去のどの本より良かった。瞑想の本質がストレートに、はじめての人にも理解できるように、身近なものとして伝わってきます。
坐禅や瞑想をある程度つづけて、堂々めぐりでモヤモヤしてるような人にも良いと思います。すでにふれてきている自分の本質(すなわち沈黙)に引きもどしてくれると思います。
副題がまた良いですね。「雑音まみれの世界のなかの静寂のちから」。タイムリーです。
おすすめの本、もう1冊が『原初のヨーガ』(新泉社)。こちらも今年4月に出た本で、ヨーガ指導者の塩澤賢一による、ヨーガ瞑想の解説書です。塩澤氏は東京と神奈川を中心にハタヨーガを指導していて、私も(コロナ禍までは)教室に毎週通っていました。こちらの本は私も制作に携わりました。いきなり宣伝になって恐縮です!
手前みそですが『原初のヨーガ』は、呼吸と瞑想の関係性、呼吸とアーサナとプラーナ(生気)の関係性が、はじめての人にもよくわかる本になっていると思います。
僕自身の経験としては、中国武術(武術気功)を20代から10年、坐禅を30代から15年(継続中)、ハタヨーガを40代から約4年(継続中)と、いろいろな修行方法が体の中でごちゃ混ぜになっているのですが、いちばんしっくりくるのは坐禅のようです。「無字」の公案で、吸って吐いてムー(無)とやるのが一番しっくりきます。
ただ悲しいかな、坐禅一本ですすんでいけるだけの才能も根気もないので、ともすればすぐに無字がわからなくなってしまう(むしろ無字をわかろうとしてしまうのかもしれない)。
そういう時に、たとえば今回の『沈黙』のようなマインドフルネス的なアプローチや、ハタヨーガ的な「呼吸をプラーナとして瞑想でひろげる」などの逃げ道があってくれると、そこから無字をまたあらたに見つけることができます。
気になる方は読んでみてください。
『沈黙』
『原初のヨーガ』