息をかぞえて

禅・こころとからだ

うがい、手洗い、治る力

5〜6年前から毎日やるようになった帰宅後のうがいと手洗いのおかげか、もう何年も風邪らしい風邪をひいていません。当時お世話になっていた声楽の療法士さんにすすめられて始めました。

その方も昔はしょちゅう風邪をひいていたのだけれど、うがいと手洗いをするようになって、全くひかなくなったとおっしゃっていました。僕も最初は半信半疑というか、うがいと手洗いにそんな効果があるとは思わなかったのですが、それからというもの本当に風邪をひかなくなったので、「うがい手洗いすごい!」と今ではすっかり信用しています。

 

一番の大きな収穫は、それまで「風邪をひいたら薬を飲んで治す」と思っていたのが、「うがいや手洗いで風邪は防げる」との発想に変わったことだと思います。

 

「薬が病気を治す」わけではないですしね。「治る」のはあくまで体がしていることで、薬はその手助けをする補助的なものです(狂犬病のような、ヒトの生来の免疫だけでは治癒しない病気には、ワクチンの助けが不可欠です。抗生物質やワクチンは偉大な発明で、薬や西洋医学を否定しているわけではありません)。

 

それでもやはり、特効薬に頼る前にまず予防だと思います。「病気は予防できる」と知ること。うがいや手洗いなどでウィルスなど異物の侵入をふせぐことはできるし、また自分の体にも「免疫」や「解毒」といったはたらきがあります。異物や毒素がまぎれこんでも、僕らの知らないところで、やっつけたり、ばらしてくれたりしている。

 

自分の体にそなわっている「治る力」や「平らげる力」を正しく知り、信頼することも、病気をふせぐうえでとても大切だと思うのです。外側のなにかに、すぐ頼るのではなく。

 

そこのところがぐらついていると、ちょっとしたことで不安になり、慌てふためいてしまう。誰かがいいと言ったことに右にならえで飛びつき、流されていく。もしその情報が違っていたら、どうするのか?

 

おかげさまで僕は今のところ、咳も発熱も頭痛もなく、元気ですごすことができています。今まで通りうがいと手洗いをしておけば、まあ大丈夫だろうと思っています。過信は禁物ですが、基本的に自分自身の「治る力」を信頼しています。

 

ただ自分の体は元気でも、新型のウィルスは人々の「気分」にも集団ヒステリーのように感染しています。それも今までにない世界的な規模で。

 

ウィルスの二次被害で、ドミノ倒しのように経済も行政も人心もバタバタたおれていくと、なかなか逃げ場はない気もします。僕も風邪はひかなくても、このさきなんらかの経済的なダメージや、パニックから派生した人災の影響をこうむることになるでしょう。

 

だからこそ「ウィルスこわい」の気分には感染したくないのです。今はおびえる時ではなく、予測のつかない変化と臨機応変につきあう時だと思っています。

 

世に蔓延する「恐怖心の感染」を予防するのに、日々の坐禅や瞑想は有効だと思っています。毎日のうがい手洗いで、風邪が防げるように。次の記事で、そのことについて書きます。